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ローン金利の上昇で収益物件の価値はどう変わる?買い時・売り時の見極め方

収益物件を購入したいが、金利が上がっていると聞いて不安に感じていませんか。

金利が1%違うと総返済額が数千万円単位で変わると知り、どの金融機関から借りるべきか判断に迷っている方も多いでしょう。

実は金利の影響は返済額だけではありません。

金利が1%上昇すると、不動産価格そのものが平均10-15%程度下落すると言われています。

金利変動は購入者の購買力を低下させ、物件の理論価格にも直接影響を与えます。

この記事では、金融機関別の金利相場から、金利変動が不動産価値に与える影響のメカニズム、今後の金利動向を踏まえた買い時・売り時まで、実践的な情報をお伝えします。

この記事でわかること
  • 金融機関別の金利相場と変動金利・固定金利の違い
  • 金利変動が不動産価値に与える影響のメカニズム
  • 今後の金利動向と複数のシナリオ
  • 金利動向を踏まえた物件選びの基準

T-ESTATEは、名古屋エリアで収益物件・事業用不動産に特化した不動産会社です。

全国5,000件超の法人・投資家等の顧客ネットワークと常時接点をもっております。金利動向を踏まえた物件選びについてもご相談いただけます。

収益物件ローンの金利は金融機関によってどう違う?

金利変動が不動産価値に与える影響を理解する前に、まず金利の基礎知識を押さえておきましょう。

収益物件ローンの金利は金融機関の種類によって大きく異なり、また変動金利と固定金利でリスクの性質も変わります。

金融機関別の金利相場

収益物件ローンの金利は、金融機関ごとに大きな開きがあります。

一般的な目安として、以下のような金利相場となっています。

金融機関 金利相場(目安) 特徴
都市銀行(メガバンク) 年1%~2%台 最も低水準だが審査は非常に厳格
地方銀行 年2%~4%台 積極的な銀行では1%を切る場合も
信用金庫・信用組合 年2%~4%台 融資条件は比較的柔軟
日本政策金融公庫 1.2%~2.8%程度 極めて低金利

特に日本政策金融公庫は全期間固定金利のため、金利上昇リスクがありません。

女性・若者向けの優遇制度を利用すれば1%台の金利も可能です。

名古屋は金融機関同士の競争が激しく、超低金利競争は「名古屋金利」と称されるほど熾烈です。

愛知銀行、名古屋銀行、中京銀行などの地方銀行、岡崎信用金庫、豊橋信用金庫などが、地場事情に精通しながら独自の融資サービスを展開しています。

変動金利と固定金利の違い

収益物件ローンを組む際、「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶかは重要な判断です。

それぞれの違いを比較してみましょう。

項目 変動金利型 固定金利型
金利の変動 経済状況で変わる ずっと一定
メリット 最初の金利が低い 返済計画が立てやすい
デメリット 金利上昇リスクあり 最初から金利が高め
向いている人 返済余力がある人、短期完済予定の人 金利変動が心配な人、計画的に返済したい人

変動金利型は、最初の金利が低く、借入スタート時の返済負担を抑えられます。

ただし、将来的に金利が上がると返済額も増えるため、資金に余裕がある方や、短期で完済できる見込みがある方に向いています。

一方、固定金利型は借入時から完済まで金利が変わらないため、毎月の返済額が確定し、長期的な資金計画が立てやすいのが特徴です。

金利が最初から高めでも、将来の金利上昇リスクを避けたい方には安心感があります。

なぜ金利上昇で不動産価値が下がるのか?

金利上昇で不動産価格が下がる。

これはよく聞く話ですが、なぜそうなるのでしょうか。

購買力・利回り・具体例の3つの視点から解説します。

購買力の低下:金利1%上昇で物件価格が10-15%下落

金利が上がると借り手の「同じ月返済額で借りられる金額」が減少し、不動産購入の予算が下がります。

なぜ金利上昇で購買力が低下するのか?

金利が上がると、同じ金額を借りても毎月の返済額が増えます。

そのため、購入者は「月々の返済額を抑えるために、借入額を減らす」という選択をせざるを得なくなります。

つまり、金利上昇前なら買えた価格の物件が、金利上昇後には予算オーバーで買えなくなるのです。

この購買力の低下が市場全体で起これば、需要減少により不動産価格が下がりやすくなります。

具体例:同じ返済額で借りられる金額の変化

月々9万円返済・30年ローンのケースで試算してみましょう。

金利0.5%の場合、借入可能額 = 約3,500万円

金利1.5%の場合、借入可能額 = 約3,000万円

差額:約500万円(約15%の減少)

つまり、月々の返済額は同じでも、金利が1%上がるだけで、借入可能額が大きく減少してしまうのです。

購入検討者が購入できる物件の価格帯が下がれば、市場全体の需要が弱まり、結果として不動産価格の下落につながります。

具体例:総返済額の違い

同じ3,500万円を30年ローンで借りる場合を比べてみましょう。

金利0.5%の場合、総返済額 = 約3,660万円

金利1.5%の場合、総返済額 = 約4,260万円

差額:約600万円

金利が1%上がるだけで、総返済額がこれだけ増加してしまうのです。

総返済額が増加すれば、購入者の負担が重くなり、結果として物件購入の意欲が低下します。

利回り要求の上昇:買主が求める利回りが高まる

金利が上がると、買主は「より高い利回り」を求めるようになります。

利回りとは、投資額に対する年間の収益の割合のことです。

なぜ金利上昇で利回り要求が高まるのか?

金利が上がると、ローンを借りるコストが増えます。

買主は「同じ物件を買うなら、高い金利負担に見合うだけの収益が欲しい」と考えるようになります。

つまり、家賃収入が同じでも、「もっと安い価格でないと買わない」という判断になるのです。

具体例:家賃収入が同じでも物件価格が下がる

年間の家賃収入が600万円の物件があるとします。

買主が6%の利回りを求める場合、物件価格 = 600万円 ÷ 6% = 約1億円

買主が7%の利回りを求める場合、物件価格 = 600万円 ÷ 7% = 約8,570万円

差額:約1,430万円(約14%の下落)

つまり、家賃収入は全く同じでも、買主が求める利回りが1%上がるだけで、物件価格が大きく下がってしまうのです。

金利上昇により買主の利回り要求が高まると、結果として物件価格が下落するのです。

金利上昇の影響は家賃動向で決まる

前のセクションで、金利上昇が不動産価格を下げるメカニズムを解説しました。

しかし実は、家賃も一緒に上がるのか、据え置きなのかによって、物件への影響は大きく変わります。

家賃も上がる場合:金利上昇の影響を相殺できる

金利上昇局面は多くの場合インフレ(物価上昇)局面でもあります。

日銀が利上げを始めた2024~2025年、日本の消費者物価指数は前年比+2~3%台で推移し、それに伴い一部エリアでは賃貸住宅の家賃も上昇傾向が見られます。

出典:消費者物価指数(総務省統計局)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

物価上昇に伴い家賃の値上げができるエリア・物件であれば、金利が上がっても家賃収入の増加で補えます。

家賃収入が増えれば、利回りが維持され、物件の価値も維持できるのです。

名古屋市でも再開発が進む中心部や主要駅周辺では地価が上昇しており、それに伴い賃料相場も上昇傾向にあります。

家賃が据え置きの場合:金利上昇の影響をまともに受ける

金利上昇局面でも賃料を上げられない物件も多々あります。

典型例は郊外や人口減少エリアの物件、築古・設備陳腐化して競争力が落ちた物件、需給が緩んで空室が多い賃貸市場などです。

年間家賃収入600万円が据え置きの物件で、買主の要求利回りが金利上昇により6%→7%に上昇した場合、前述のとおり理論価格は約1億円→8,570万円に低下します(約14%の価値減)。

郊外や供給過多のエリアでは値下げ競争が生じる可能性があり、金利上昇局面ではエリア・物件格差が一段と広がると考えられます。

見極めと対策:物件の強み・弱みに応じた選択

まず自分の物件のあるエリアの賃貸需給を見極めます。

都市部・駅近であれば基本的に需要が強く家賃も上げやすい傾向ですが、郊外・不便な立地では家賃交渉力が乏しく据え置きリスクが高いです。

物件自体の競争力も重要です。

築浅で設備や間取りが現代ニーズに合致している物件は多少の家賃アップでも入居者に受け入れられやすいですが、築古物件で設備更新が遅れていると現状家賃維持も精一杯でしょう。

家賃を上げられる物件なら、強みを活かして収益力を高める戦略が有効です。

家賃を上げられない物件なら、早めに手を打つことが大切です。

入居率を維持するためのリフォームや設備更新を行ったり、管理コストを見直したりすることで、収益性を確保できます。

物件の将来性に不安がある場合や大規模修繕が近い場合は売却も選択肢です。

金利動向を踏まえて今買うべきか、売るべきか

金利動向を踏まえて、今買うべきか、売るべきか。

金利が上がる・横ばい・下がる、それぞれの場合の投資戦略と、直近の市況(2024-2025年)を踏まえた具体的な判断基準を解説します。

金利上昇局面では慎重に物件を選び、財務健全性を高める

金利上昇が今後も続く局面では、物件価格の下落リスクがあるため「すぐ飛びつかない」戦略が基本です。

市場動向を気にして今が買い時か悩むより、理想の物件を粘り強く探す方が賢明と言えます。

具体的には、金利上昇後の利回り水準で見てもキャッシュフローがプラスになる物件や、家賃上昇などで価値維持できる物件を狙います。

実際、収益物件の購入検討者への調査でも「借入比率を下げ自己資金を増やしたい(繰上返済や頭金増額)」という回答が最多となっており、金利上昇に備えて財務健全性を高める動きが広がっています。

保有中の物件についても、金利上昇が続く場合は売却タイミングを慎重に見極めます。

金利横ばい局面は落ち着いて物件選びができる時期

金利が横ばい安定している場合、不動産市場への急激なショックは小さいと考えられます。

物件価格も安定しやすいため、購入検討者にとっては落ち着いて計画を立てられる時期と言えます。

横ばい局面では時間的猶予があるため、焦らずじっくり投資候補を選定できます。

市場全体が安定している時こそ、物件の本質的価値(収益性や将来性)に注目して、多少時間をかけても「本当に良い物件」を掴む戦略が有効です。

金利が横ばいであれば、変動型・固定型どちらを選ぶかも落ち着いて検討できます。

金利が安定している間に設備投資を行えば、いざ金利が動いた時にも他物件との差別化が図れます。

金利低下局面は購入の好機、売却も高値で売れる可能性

金利が下がる局面では、不動産購入者に追い風が吹きます

ローン負担が軽減され購入余力が増すため、需要が喚起されて物件価格が上昇に転じやすい傾向があります。

金利低下局面では購入検討者が増えるため、売却側に有利な状況になり、高値で売却できるチャンスと言えます。

既存のローンを抱えている場合、金利下降局面は借り換えの好機です。

より低い金利の商品に借り換えれば返済負担を減らせ、キャッシュフローが改善します。

ただし金利低下で市場が活況になると、競争入札で物件価格が割高になる恐れがあります。

「安易な楽観で高値掴みしない」ことが鉄則です。

直近の市況では物件を厳選し、専門家に相談を

2024年は日銀利上げ開始にもかかわらず、不動産価格は即座には大きく下落していません。

一方、水面下ではエリア・物件による格差拡大が進んでいます

都心・人気エリアでは引き続き売り手市場なのに対し、地方・郊外では購入検討者の足が遠のき価格交渉が増えるなど差異が顕著です。

不動産市場は「二極化」がキーワードとなっています。

名古屋市内でも中心16区の土地価格が4年連続上昇し、千種区・中村区・熱田区などで上昇が顕著です。

出典:不動産情報ライブラリ(国土交通省)
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

一方で郊外エリアでは空室率上昇に悩むオーナーもおり、総じて名古屋市況は「中心部強気・周辺部慎重」と評価できます。

2024-2025年の実績では物件価格こそ高止まりしていますが、利上げ後の利回りでも投資に値する物件を狙うことが欠かせません。

焦って高値掴みする局面ではないので「良い物件がなければ無理に買わない」という冷静さも必要です。

売却判断については、以下に該当するなら早めの売却を検討した方が良いでしょう。

  • 高金利の融資を抱えてキャッシュフローが苦しい物件
  • 大規模修繕や空室増で収益悪化見込みの物件
  • エリアの将来性に陰りがある物件

現在のような不確実性の高い市況では、「最終的にはご自身の判断ですが、専門家に相談されることをお勧めします」というスタンスが推奨されます。

まとめ:金利変動を理解し、後悔しない物件選びを

金利変動が不動産価値に与える影響と、今後の物件選びの基準を解説しました。

この記事のポイント
  • 金利1%上昇で不動産価格は平均10-15%下落
  • 家賃上昇で金利上昇の影響を相殺できる
  • 金利動向別に投資戦略を変える
  • 直近の市況では物件を厳選し、専門家に相談を

金利変動は返済額だけでなく、購入者の購買力低下と利回り要求の上昇を通じて不動産価値そのものに影響します。

特に重要なのは、金利上昇局面でも家賃を上げられる物件かどうかです。

都心・駅近の競争力が高い物件は賃料上昇で金利上昇を相殺できますが、郊外・築古物件は価値下落のリスクが高まります。

金利が上がる・横ばい・下がる、それぞれの局面でふさわしい戦略を取ることで、リスクを抑えながら投資機会を逃さず進められます。

T-ESTATEは、名古屋エリアで収益物件・事業用不動産に特化した不動産会社です。

全国5,000件超の法人・投資家等の顧客ネットワークと常時接点をもっております。

1棟アパート・マンションを中心に、駐車場、店舗・事務所などの収益不動産も対象としています。

買主ネットワークにより、秘密裏・高値・スピーディーな売却を実現できます。

金利動向を踏まえた物件の購入・売却でお悩みの方は、まずはT-ESTATEにお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
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棚川 有里(不動産仲介事業部 営業)

名古屋エリアを中心に、収益物件・事業用不動産(1棟アパート・1棟マンション・ビル・事業用地など)の売買と、貸店舗・事務所などの賃貸を担当。まずはお客様のお話をしっかり伺い、「高く売りたい」「早く売りたい」などのご希望に合わせて、無理のない進め方を提案する。隣地所有者への提案をきっかけに同時売却へつなげた事例もあり、利益を伸ばしつつリスクを減らす支援を大切にしている。
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